機械での作業が不可能なたいへん険しい斜面にリースリング種のみを植え、その醸造法は頑固なまでに伝統的、そして畑仕事から醸造、セラー内での作業も全て自身がこなす・・・ザール(Saar)地域と言えばエゴン・ミュラー(Egon Müller)といわれるほどの超有名蔵と比べ、ハインツ・ワグナー氏(写真左)の名は全く無名に近いものですが、彼ほどワイン造りにその身を捧げている人は、世界中のワイナリーでも例がないほどです。というのも、近年、ドイツワイン生産者の間では、誰もが「よりクリーンなワイン」を造ろうとハイテクに走り、ワインからいろいろ複雑な成分を取り除いてしまう傾向がありますが、ワグナー氏はワインの風味が弱まってしまうのを嫌い、昔ながらの製法を守っている・・・からなのです。
その努力は1987年には、ワインの造り手にとって最高の名誉である、“スターツエーレンプライズ”を受賞、またドイツのワイン専門誌においても〔世界のワイン・ベスト100〕にも選ばれ、モーゼルワインの実力者として既に認められています。また、彼のワインは「酸味が多すぎる」と言う人もいますが、『もし酸を弱めたら、果実味も風味も弱まってしまうし、何よりそんな事をしたら私のワインではなくなってしまう。』と言い、全く妥協せず、まさに他の若い古典派のドイツワインのお手本ともなるべきワインを造る人物としても尊敬されています。彼の育てたワインは、どんな有名な蔵元と比べてもまったくひけをとりません。是非お試しください。
* V.D.P.(ドイツ高級ワイン生産者組合): この組合に入会が認められる為には数多くの厳しい基準を達成し、更に推薦をも必要とします。 その為、この組合のマークの入ったドイツワインは、ワインに関する厳しい基準、モラルなどをパスしたワインとして絶大な信頼を得ています。