ポルトガルのワイン生産地は、大きく6つほどの地域に分けられます。それぞれの地域を順に見ていきましょう。
ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)地域は、ポルトガル最北部、大西洋寄りの広い地域でドウロ河の北からスペイン国境までの、いわゆるミーニョ(Minho)地方を主とする、全国の10%を占める一大ワイン生産地で、大西洋の暖流に囲まれ比較的雨量が多く、夏は涼しく冬は暖かいなだらかな丘陵地帯にあります。ぶどう農家は小規模な生産者を含め7万を数え、微発泡のワイン、ヴィーニョ・ヴェルデの生産地として有名です。
ドウロ(Douro)地域は、ポルトガル北部のポルト(Porto)市からドウロ河上流100km、さらにそこからスペイン国境までの約100kmの、ドウロ河に沿った山間の地域です。周囲を標高1000mに近い山々に囲まれた夏暑く、冬寒い雨量の少ない地域でポートワインの生産も行われています。ぶどう栽培者は約3万で、ここで収穫されるぶどうの40%程度はポートワインに向けられます。
ダン(Dão)地域ドウロ河南方にあり、大西洋とスペイン国境のちょうど中間にあたる丘陵地で日照に恵まれ周囲の山々が海や大陸から吹いてくる強風を防いでいます。夏暑く雨量が少ないぶどうの成熟には適した地域です。1900年のパリ万博で金賞を獲得し一躍世界に脚光を浴びた後、一時期ワイン生産、品質のの低迷期がありましたが、現在では昔の栄光を取り戻し、力強くかつタンニンを十分に含んだ重厚な香り高い優良のワインが生産されています。
バイラーダ(Bairrada)地域は、ポルト市南方、アヴェイロ(Aveiro)市からコインブラ(Coimbra)市へと海岸沿いに広がる、ダン地域の中で大西洋寄りのワイン産地です。この地方のワインの歴史は古く建国時代に遡るといわれています。赤ワインにはこの地域固有のバガ(Baga)と呼ばれる小粒で濃色なぶどうが使われます。
リスボア(Lisboa)地域は、リスボンから大西洋海岸に沿って北に延びる地域で、ワイン生産量では国内2位を誇り、最近までエストレマドゥーラ(Estremadura)と呼ばれていました。 9つの代表的なDOCがあり、南部にはブセラス(Bucelas)、カルカヴェロス(Calcavelos)、コラレス(Colares)の伝統ある3つのDOCが集中しています。 優れた白ワインやスパークリングワインを産出します。 主な白ワイン用ぶどう種には、アリント、フェルナン ピレス、マルヴァジアなど、そして、赤ワイン用ぶどう種には、アリカンテ ブーシェ、アラゴネス、トゥリガ フランカ、トリンカナシオナル、トリンカデイラなどがあります。
アレンテージョ(Alentejo)地域とは、アレンテージョとはテージョ(Tejo)河の向こう側という意味で、ポルトガルの南部に位置し全国の30%を占める広大な地域です。 なだらかな丘が連なり夏は気温が高く、雨量が少ない農業地域で、小麦、とうもろこし、コルク樫、牧場の間に ぶどう畑が広がっています。近年ワインの品質の向上が著しい有望な地域です。
マデイラ(Madeira)地域リスボンから南西に約1000km、アフリカ沿岸から約600kmの大西洋上に浮かぶ小さな島で、温暖な気候と美しい自然に恵まれ「大西洋の真珠」と呼ばれヨーロッパ有数のリゾート地。 標高1750mの山があり海岸線の断崖も含めて標高差のある段々のぶどう畑が広がっています。 世界的に有名なマデイラワインはここで造られます。 ポルトガルサッカー代表のクリスチアーノ・ロナウドが生まれたところでもあります。
ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)地域
ドウロ(Douro)地域
ダン(Dão)地域
バイラーダ(Bairrada)地域
リスボア(Lisboa)地域
アレンテージョ(Alentejo)地域
マデイラ(Madeira)地域