オーガニックワインって?
オーガニック食品とか有機野菜など最近とてもよく耳にされることでしょう。 農作物は戦後特に安定供給やビジネスを優先させてきた結果、農薬や化学肥料が多く使われ、その影響が土の中に生きている小動物、昆虫、微生物の生態系を狂わせ、土壌そのものの活力を失わせ、自然で食物が本来持つおいしさを失わせる結果を招いてきています。
これに対し、自然の生態系を壊さないよう、無農薬あるいは有機肥料を使い、保全された自然環境で植物を栽培するのがオーガニック農法で、その活動は世界中で急速に広まりつつあります。
ワインも例外ではありません。 ぶどうの栽培、ワインの発酵、熟成プロセスを通じて、この思想で造られているワインは
オーガニックワイン、あるいはビオワインとも呼ばれます。 従来のぶどう栽培からオーガニックの認定機関の基準を満たす栽培方法に転換するに要する期間は、認定機関により3年と定められています。そして、この期間に作られるワインを、オーガニック申請中(in conversion)と呼びます。
このようなワイン造りには、新しい概念と新しい技術が必要であり、発生しうる病害や劣化などの困難を乗り越え採算の取れる安定した生産を維持するには様々な努力がなされています。このような困難に挑戦する気概ある生産者を我々は大切に考え、日本に紹介してきています。
優れた醸造家が造るオーガニックワインは生き生きとした本来の豊かな味わいが引き出され、価格的にもリーズナブルで、ワイン市場でのオーガニックワインの評価は日々高まりつつあります。ヨーロッパでは2004年から2011年の7年間にオーガニックワイン畑の面積は3倍に増え、全世界の5-7%のワインがオーガニックといわれるまでになってきています(Jancis Robinson 2013年)。 この数年日本でも徐々に浸透しつつあり、ワイン専門店やレストランでオーガニックワインを見掛けることが随分増えてきました。 私達は今ではむしろオーガニックワインの方がスムーズに味わえると感じています。 数々の賞を取った、ある生産者のことばを記します。
『オーガニックワインを造るのがゴールではないよ。 でも一番いいワインを造ろうと試しているうちに、たまたま出会ったのがオーガニックなんだ。』
オーガニックワインの生産には、各国で国が認定した第三者団体によりガイドラインが定められ、検査に合格したものがオーガニック認定ワインとして消費者の手元に届きます。eurovinでは、ECOCERT、IFOAM、 AIAB、 DEMETERなど厳格な基準を持つ、国際的なオーガニック認定団体の基準を満たしたワインの中で、更に美味しいものを選んでお届けしています。ここ数年,EU内各国認定団体に統一したコードがふられ、瓶の裏ラベルの表記には従来の認定団体独自のロゴや名称の替わりに緑の葉をあしらったEU統一のロゴが用いられると同時に、このコードが印刷されることが増えてきています。 過渡期の混乱がないよう、私達のサイトでは各ワインの説明に認定団体名とこのコードを併記しています。
またオーガニックワインの生産者の中で、天体の動きや生物由来の成分の複雑さを損なわずに肥料として使おうとするビオディナミと呼ばれる方法を取り入れているグループがあり、DEMETERなどの機関がその認定をおこないます。 しかし中には、敢て公的な認定を受けない生産者もあり、この方法で作られるワインには、我々は"ビオディナミ製法"と表記します。 また、使用する農薬の量を減らし、その認定を受けているワインには、減農薬と表記しています。
さらに、食のライフスタイルが多様化し動物由来の製品を一切使わない生活様式(ヴィーガン)が広がりつつあります。そのためには、ワインの醸造過程の一つ清澄で広く使われている卵白の替わりに、土や植物由来のたんぱくが使用されます。ヴィーガン認定団体がこのような製造過程を監査し、認定したワインには団体のロゴが付与されます。
eurovinではBiofach(ドイツ)、Vinitaly(イタリア)、Millesime Bio(フランス)など、主にヨーロッパで毎年開催される大規模なワインの見本市に参加すると同時に、直接生産者を訪問しテイスティングを重ね、おいしくかつ価格的にもお客様に納得して頂ける、つまり私達がワインを選ぶ時に最も注意する点、価格と味のバランス=コストパフォーマンスも申し分ないワインを選んで皆様にお届けします。
フランス政府が1981年に指針を制定し、1985年以来国家によるオーガニックの認定としてこのロゴが使われている。 オーガニック材料を95%以上含み、EU圏内で生産あるいは、加工されたものに限られている。
コード: AT-BIO-302
1993年にオーガニック食品認定機関としてオーストリアで最初に認定を受け、1998年にはIFOAM (International Federation of Organic Agriculture Movements)のメンバーに登録された。 現在では、国内の10700を超える農産物生産者および1000以上の食品プロセス業者と契約し、国内で最大のオーガニック認定機関として活動している。
2006年現在オーストラリアに7つあるオーガニック認定機関の中で最大の組織。1987年,オーストラリアのクィーンズランド州で設立された有機農法農家や有機農産物加工業者の組合。自然食品の育成やよりヘルシーな市場を目指した認定団体で、自然に成育した健康によい食品を保証している。
1995年に創設された、ポルトガルのオーガニック認定機関。IFOAM(国際有機農業運動連盟)に登録されている。
イタリア有機農業協会。 IFOAM(国際有機農業運動連盟)登録のイタリアの認定機関。
コード: IT-BIO-007
イタリア エミリアロマーニャ州ボローニャを拠点として、1984年Bioagricoop scrlとしてスタート。有機農産物食品、化粧品や繊維などの安全な提供を目的としてオーガニックの認定を行う。
コード: CH-BIO-006
スイス北部フリックに本部を置き、食品生産者のためのオーガニック認証サービスや食品の安全性基準の作成などで実績のある組織。
ビオランドは、農業従事者によって1971年に創設されたドイツ最大の有機農業協会です。現在では7000もの農家が加盟しており、また農産物加工、養蜂、淡水養魚、コスメティック等様々な職種が携わっている。ビオランドは、ドイツ全土とイタリア北部地方(南チロル)において管理運営を行っている。
コード: IT-BIO-005
イタリア農業省の認可を受け、EC Reg 834/2007および889/2008の法令に準拠する、オーガニック食品認定機関。
ビオスイスは、1981年にスイスに創設された有機農法認定機関で、現在では30を超える有機農法団体を傘下に置き、約6100軒もの農家が加盟している。 スイスは有機農法に関するパイオニアの一つであり、国土全体の農地の11%がすでにBIO SUISSEの基準に合わせて栽培している。
スペインアンダルシア州における有機農業を促進する目的で1991年に設立されたNPO法人。現在では9000名の会員を擁し、2009年からは IFOAM (International Federation of Organic Agriculture Movements)の理事でもある。
コード: ES-ECO-020-CV
CAECV(バレンシア有機農業委員会)は,MAPAを管轄官庁として設立された非営利法人で、EU委員会規則に沿った有機農業の管理機関として1993年7月に設立された。有機農産物の質の管理並びに持続性と経済的利益を追求する農業を推進している。
コード: ES-ECO-024-MU
スペイン、ムルシア州の有機農法の管理システム導入を担う組織として2000年より活動を開始し、2003年12月からは公共法人として活動する公的認証機関。
コード: ES-ECO-019-CT
スペインのカタルーニャ地方の有機農法性生産統制委員会。
コード: IT-BIO-009
ボローニャに本部のある、イタリアのオーガニック食品および化粧品の認定機関。
コード: ES-ECO-028-AR
スペインで生産される農作物の品質の維持向上と安全性を保証するNPO機関。高い技術で信頼性されたオーガニック認定を実施している。 アラゴン州のほかスペインで広く活動を展開。
コード: IT-BIO-002
CODEXは1955年創業以降、イタリアにおける農業従事者の信頼と質を保証しまた環境の保護に努めており、主な活動はオーガニック農産物や家畜ならびにその製品のコントロールおよび認定である。
コード: PT-BIO-08
CODIMACOは1993年以来ポルトガルの農産物について、国内外のオーガニック基準に従ってその認証を行う機関。
コード: ES-ECO-025-NA
スペイン・ナヴァラ州の有機農産物に関するオーガニック認定団体
コード: ES-ECO-035-RI
スペインリオハ地方における有機生産システムの知識と応用を広め、有機農産物の消費と普及を拡大し、有機農業の促進を目的とする農業グループの活動を支援している。
コード: IT-BIO-021
CSQAはバイオテクノロジーの研究で知られていた機関を母体とし、1990年にイタリアで創設された。大切な任務には食品安全性の保全、持続可能性の追求などとともに、食品ビジネスやトレーサビリティの拡充などがある。
コード: FR-BIO-01、PT-BIO-02
1991年にフランス農務省が有機栽培食品を認可する目的で設立。 ここで認定を受けている物は、栽培から、その物から加工される商品の製造過程の添加物まで厳密な管理と監視が行われている。また放射性物質使用、遺伝子学的な操作や組み替え産品は認定しない。→EU、IFOAM基準。フランスのトゥールーズに本拠を置き、ヨーロッパを中心として世界85ヶ国以上で活動し、40,000もの有機栽培業者が登録している世界最大の国際有機認定機関。 オーガニック認証団体の世界基準ともいわれている。
コード: IT-BIO-008
持続可能を目指す農業生産や食品加工、安全な化粧品を市場に提供するためのマーケティングや、オーガニック認定などを行うイタリアの団体。1992年から活動し、イタリアのカタニア(Catania)にヘッドオフィスを持ち、モルドバとブルガリアにも活動拠点を持っている。
1985年にドイツのブドウ栽培醸造業者団体によって設立された。 IFOAM(国際有機農業運動連盟)登録の認定機関の一つ。
2012年以降EUの各国におけるオーガニック農法に関する共通の基準が採用されている。これを満たすオーガニック食品には、各国独自のロゴの替わりに共通のEUロゴが使われるようになった。
コード: IT-BIO-006
AIAB(イタリア有機農業協会)を母体とする、イタリアの代表的な有機栽培認定機関。
1972年にフランスに創立後、ヨーロッパで広がり、現在では 世界100カ国以上の約800の団体が加盟する世界最大の民間オーガニック振興組織としてよく知られている。 IFOAM(国際有機農業運動連盟))自体は認証機関ではなく基準作成や様々な加盟組織や国連のFAO(Food and Agriculture Organization)との連携などをその任務としている。
コード: IT-BIO-003
2014年7月をもってIMCとCCPBは合併され、現在はCCPBにその活動が移行した。http://www.ccpb.itを参照のこと。
日本農林水産省によってオーガニック食品に対して設定された、Japanese Agricultural Standardの略。化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用は極力避ける。 原材料は、水と食塩を除いて95%以上が有機食品であること、 遺伝子組換え技術を使用しないことなどをクリアした商品に認定する。IFOAM(国際有機農業運動連盟)登録団体ではない。
JONA(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)はIFOAM(国際有機農業運動連盟)に認可されている、国際的な基準のオーガニック食品認証機関。1993年から独立した第三者認証機関の民間団体として日本における活動を続けており、2000年に有機JAS制度の導入に伴って、農林水産省の登録認定機関となった。
コード: SI-EKO-001
スロベニア全体で長年の経験を持つ独立した管理組織です。スロベニアの主要な認証機関として、管理と認証の分野で活動しています(農産物または食品の統合された有機生産と加工、DEMETERガイドラインに従ったバイオダイナミック農法、保護された農産物と食品、農業の管理と認証選択された品質とビーガンをマークした製品と食品)。
コード: ES-ECO-027-RI
スペイン、リオハ州政府がこの機関を通してオーガニックの認可を行い、実際の調査はECCYSA (Entidad de Control, Certificación y Servicios Agroalimentarios S. A.)が行う。
イタリアのオーガニック農産物を最終的に認可するイタリア政府農林政索省
南オーストラリア州を本拠地とする有機農産物の認証機関として、生産より消費にいたる各団体が主体になって1986年に設立された民間団体。その機能は、全国有機農産物基準にその農産物が合格しているかどうか確認し、証明書を発行するという非営利団体として活動している。厳しい基準を設け、その栽培の後の製品化にいたるまでも厳しい制約を添加物等に設けている。オーストラリアだけでなく、スリランカ、パプアニューギニア、ネパール、インドネシア、韓国等各国の認定、証明作業も行っており、IFOAM(国際有機農業運動連盟)登録の認可団体でもある。
フランスで会員数1400名を越えるもっとも大きなオーガニック組織。安全で安心を求める消費者の主導により安全な食品運動が起こり、農業従事者を中心に結成された自然農法団体。
ドイツ南部が主体の有機農法団体で、有機農業生産者と消費者が共同して1982年に設立された。農家への技術指導、加工メーカーのチェック、有機農産物の直売等の活動をしている。麦、ホップ、ジャガイモ等の農産品の自然農法を進め、5年以上の期間を経過しなければ認定商品として出荷が出来ない。それを原料として使用するときも加工方法等にも厳しい基準を設けている。
Organizacion Internacional Agropecuaria(OIA)は、1991年より、アルゼンチンで生産される野菜、家畜、農産物加工品のオーガニック認証のパイオニアとして広く知られている団体。
アメリカ農務省公認で1989年に設立されたアメリカ最大のオーガニック認定NPO法人。 日本におけるEcocert-QAI Japan Ltd.と提携している。
コード: FR-BIO-16
1965年にフランス南西部に設立されたQUALISUD は、農業、農産物、林業の活動と製品を促進するために、農業および農産物食品の専門家によって設立された管理機関。QUALISUD は、農業製品の品質、動物および環境への配慮を常に念頭に置き、さまざまな分野の関係者と日々協力し、有機農業生産法の認証に取り組んでいる。
コード: PT-BIO-03
ポルトガルの私的オーガニック食品認証機関。フランスのIFOAMとは認定業務において協力関係にある。
コード: AT-BIO-902
1878年オーストリアのウィーンに農業検査サービスとして設立。
コード: ES-ECO-002-CM
スペイン、オーガニック農法での農産物を認定する機関。日本のJASやアメリカのNOP団体とも互いに提携している。
コード: GB-ORG-05
英国土壌協会。1946年に農業の質の改善を目的として発足し、現在では、オーガニック農法の支援、オーガニック食品/製品の基準制定、遺伝子組み替え食物の排除、抗生物質の適切な使用、消費者に対する啓蒙活動などを行っている。現在では英国のオーガニック認定の約7割を占めている。
コード: IT-BIO-004
"土と健康の協会"を意味し、農産物加工と環境保護の管理運営及び認定を行うイタリアの組織。
コード: IT-BIO-015
ValoritaliaはヨーロッパにおけるOCM(ワイン共通市場制度)に対応する目的で2009年にFederdocとCSQAの協力により設立された。その後認定サービスを提供するとともに、ワインの生産における有機農業や環境の持続可能性の促進に力を入れてきている。
AgriBioDinamicaはイタリアに本拠を置き、ビオディナミ農法の普及を目的として技術援助、ビオディナミプレパレーションの販売やセミナーの開催などを行っている。
ぶどう栽培に関してビオディナミを実践するフランスワイン生産者グループ、またはこの生産者によって作られ、Ecocertによってビオディナミと認定されたワインに付されるラベルのこと。
ドイツを中心にルドルフ・シュタイナー博士の農業講座の生力学的自然農法(ビオディナミ、あるいはバイオダイナミック農法)実践をしている団体。 シンボルマークは結婚と豊穣の女神「デメター」を表している。1927年にデメター加工組合が設立され、1946年バイオダイナミック農法研究会が発足し、デメター品質保証のための基準書が作られた。 これは世界でもっとも古い基準として知られている。その後、1954年にはデメター協会(連盟)が設立され、デメターマークの管理と品質保証の実施を開始し始めた。BIO-DYNAMIC(ビオディナミ、生力学的自然農法)を商品を表す言葉として使用できるのは、ルドルフ・シュタイナー博士の偉業に敬意を払い、DEMETERのみに限られている。
ヴィーガン協会は、動物の虐待を無くすという趣旨のもと1944年にドナルド ワトソンら25名によって英国に設立された、世界で最初のヴィーガン認定団体。現在では虐待と考える利用目的は食物、衣服、労働、狩猟などにも広がっている。 対象には脊椎、無脊椎動物を問わず、昆虫やミジンコなども含まれる。
V-Labelはスイスに本拠地を置き1996年以降ヴィーガン食品認定の活動を行っている。
イタリアボローニャに本部を置くICEAは、オーガニック農業の発展と拡大に貢献してきたが、100% 野菜を材料とするヴィーガン食品に関しても監査や証明書の発行などにも活動を拡大している。
イタリア政府の認定を受け、イタリアのヴィンチェンツァに拠点を持ち1999年以来食品の質と安全を認定する活動に従事してきた。 その活動の一つがヴィーガン食品の認定である。