ワイン あれこれ

フランスワイン法上のカテゴリーで、日本ではさしずめ“地酒”或いは“地ワイン”に相当するかな・・・と思います。 ランクだけを見ると低いのですが、その分、法律の規定もおおらかで最近ではこのワインの様な、AOCワインでは考えられない「常識をはるかに超えた」ぶどう種配合で造られるワインが出てきています。
とはいえ、南部のラングドック地方やロワール川沿いのワインの中には、ヴァン・ド・ペイ(Vin de Pays)でありながら、産地表示が認められているものもあります。
つまり、選び方によっては、コストパフォーマンス抜群の“超”お買得ワインに出会えるかもしれません。 ただヴァン・ド・ペイと表示があっても、劣悪なワインもあるので慎重にお選びすることをお薦めします。
■ ヴァン・ド・ペイのワインは、こちら

リパッソ(Ripasso)とは、「元に戻す」という意味で、発酵の終わったアマローネ(Amarone)の樽に残った澱(オリ)の上に、
普通のヴァルポリチェラ(Valpolicella、 イタリア・ヴェローナ州のライトボディの赤ワインの一種)を入れ、更に2週間あまり発酵させる醸造方法です。
これによって、アマローネの力強さと黒糖カラメルの風味が加わり、通常の造り方では到底達し得ないレベルにまでワインの品質を高める効果があります。
こうして造られたワインは、手間がかかっている割には価格が手頃で、非常にコストパフォーマンスの優れたワインとして人気があります。
■ リパッソ製法のワインは、こちら

イタリア・ヴェネト州に伝わる伝統的なアマローネ(Amarone)の製法を「アパッシメント」と言い、一房ずつ選りすぐったぶどうを3ヶ月近く独特の「すのこ」に並べて陰干しにし、貴腐菌がついて糖度の高まったところでアルコール発酵、そして木樽で熟成させることにより生み出される、アルコール濃度が高く、リコリス、タバコ、イチジクなどの風味を感じる濃厚な赤ワインです。
ビンテージから4年後に、ようやくワインは瓶詰めされ、さらに瓶の中で年を追うごとに熟成を重ねます。 こうして、丹念に熟成されたワインはコルクを抜くと、気品に力強さと優美さを加えた、華麗なワインが出現します。 他の追随を許さない恵まれた環境、伝統に裏打ちされた職人芸の賜物に他なりません。
■ アマローネ製法のワインは、こちら

ランブルスコ(Lambrusco)とはイタリアでも主にイタリア中部のエミリア・ロマーニャ州で栽培されるぶどう種、またこのぶどうから造られる
微発泡性赤ワインのことです。軽く、香り良く、アルコール度数は11%と低いので、野外でのバーベキューやあるいは軽い昼食でも楽しめます。
■ ランブルスコのワインは、こちら

ヴィーニョヴェルデ(Vinho Verde)とは一般にポルトガル最北部、大西洋寄りの広いミーニョ(Minho)地方で造られる、緑を感じさせる薄い黄色を帯びた特有の微発泡白ワインを指します。 ぶどうの完熟する約一週間前に収穫するため、アルコール度数が低くわずかに炭酸を含む清涼感あふれる非常にさわやかな風味になります。 名前は、直訳すると緑のワインですが若いワインを意味します。
ヴィーニョヴェルデとなるぶどうの一種ロウレイロ(Loureiro)からは、スプマンテも造られ、またヴィーニャオ(Vinhao)というぶどうからは赤の微発泡のものも造られます。
■ ヴィーニョヴェルデのワインは、こちら

ポルトガルのリスボンから南西に約1000km、アフリカ沿岸から約600kmの大西洋上に浮かぶ小さな島マディラ。 温暖な気候と美しい自然から「大西洋の真珠」と呼ばれ、今ではヨーロッパ有数のリゾート地として知られていますが、古くは15世紀に新世界やアジアを目指したヨーロッパの船が立ち寄ることになったことから、マディラワインの歴史が始まります。
この時代、長い航海中ワインが高い温度や揺れにさらされた結果思わぬ風味を持つことが発見され人気となりました。 さらに18世紀ごろには、ワインやサトウキビを蒸留して得たアルコールをワインに加えると更に風味がよく、長期間劣化しない独特のワイン製法が誕生しました。 このような造りかたは、酒精強化(fortified)と呼ばれます。
今日では、通常のワイン造りの過程で、スピリッツ(ぶどうを原料とする)を加え、アルコール度数を約20%に調整します。 発酵が進んでいない甘口のものほど添加されるアルコールの量は多く、辛口のものでは少なくなります。その後、ワインの樽に温水の入ったパイプを通す方法(クパ・デ・カロール、Cuba de Calor)あるいは、倉庫の上階で自然に加熱する(カンティロ、Canteiro)といういずれかの方法で50℃ほどに加熱を続け熟成させ、数年を経てマディラワインとなります。 食前、食後に飲むことが一般的ですが、食中酒としても楽しめますし、料理やデーザートにも好んで使われます。
■ マディラワインは、こちら

ヴィエイユ・ヴィーニュ(Vieilles-Vignes)とはひと口で言えば「ぶどうの古木」という意味ですが、ワインの場合樹齢30年以上の木、あるいはそれからできたワインを指します。
一般に、ぶどうの樹齢が高くなればなるほど収穫量は減っていきますが、逆にぶどうの質は良くなってくる…という性質があり、そのためにワインの世界では、この“古木”が珍重されています。
普通なら50年くらいでぶどう木を植え替えてしまいますが、中には80~100年、またそれ以上生き永らえる樹もあり、その様な樹を持つワイナリーでは、これらから収穫されたぶどうを別個に醸造し、ラベルにも「ヴィエイユ・ヴィーニュ」と明記して出荷されるのが通例です。
また、ヴィエイユ・ヴィーニュは、深い風味と余韻の素晴らしいワインが楽しめる…とワインファンの中でも大きな支持を得ています。

イタリアには、非常に厳しく、また細かに規定されたワインに関する法律がありますが、それにしばられずに造られたワインをスーパートスカーナ(Super Toscana)またはスーパータスカン(Super Tuscan)と呼んでいます。
スーパートスカーナはトスカーナ地方産の高品質ワインであることはもちろん、格付け的にはワイン法にしばられずに、VDT(テーブルワイン)やIGT(地酒のようなカテゴリー)に属するワインを指しています。
いくら品質が良く美味しく人が喜ぶワインを造っても、ワイン法の規定通りのワインが造れなかったら、DOCGやDOCを名乗る事は許されず、ランク(格付け)は下位に属されるのですが、このようなワインの「真の実力」を認めた英語圏のワインライターたちが、普通のVDT(テーブルワイン)やIGT(地酒みたいなカテゴリー)とは区別して、敬意を込めて「スーパートスカーナ」と呼び、それがまたたくまに世界中に広がったのです。

リンゴを切ると、その切り口が茶色くなり味も落ちてしまいます。これは果物に含まれるポリフェノールが酸化されるからです。
塩水に漬けるのはその変質を防ぐためで、この場合、この「塩水」が酸化防止剤の役割を果たしています。
ワインに使われる亜硫酸(sulfite)は硫黄を燃やして発生するガス、あるいは粉末のメタ重亜硫酸カリなどの形で、
亜硫酸を使わずに造ったワインは変質しやすいため、中世以来世界中のワインに酸化防止剤としてこの亜硫酸塩が使われています。
発酵前に酵母以外の有害な微生物の活動を抑えたり、ワインの酸化に関与する酵素の機能を阻害する役目を果たします。
また、オリ引きの際や、瓶詰め後における酸化を防ぐことも大切な役割です。
さて、ワインに使われる亜硫酸塩の量はごくごく少量で、各認証期間による安全基準内で使われています。
日本の食品衛生法における亜硫酸塩基準では350ppmであることが規定されています。オーガニックワインでは、
全く亜硫酸塩を使わないワインも最近現れてきているとはいえ、安定した保存のために通常ほんの少し使用されるのが一般的です。
赤ワインやスパークリングワインでは100ppm以下、また白ワインでは120ppm以下に抑えられ(参照 FNIVAB オーガニックワイン憲章)、
生産者によってはさらに低いレベルの亜硫酸を使用しています。
一方喘息やかゆみなど、亜硫酸に対するアレルギー反応を持つ人達のためには、これを含まないことが望ましく、我々の販売するワインにも「亜硫酸塩無添加(SO2フリー)」のものが増えてきています。 私共では、このようなワインの劣化を防ぐために、輸入、貯蔵、出荷などのあらゆる段階で厳密な温度管理を実施しております。

これは難しいご質問ですね。
単純に言うと、フルボディは渋味が強い赤ワインで、ミディアムボディは渋味が中程度の赤ワイン・・・と、曖昧なご説明になってしまいます。
弊社ホームページのミディアムボディとかフルボディの表示は全て私達の感性で表示しています。つまり、試飲した赤ワインがコク・渋味・余韻等が濃厚に感じた時はフルボディ表示します。コク・渋味・余韻等が濃厚に感じても、全体のバランスが軽めに感じるとミディアムボディと表示します。
ただ、“赤ワイン”といっても産地や用いるぶどう、気候条件などによって味わいは微妙に変わりますので、例えばフルボディと表示したワインでも味わいはそれらの条件で変わります。 また、食事と共に飲む場合などは、その食材によっても左右されますので、また違った印象を受けたりもします。 手っ取り早い方法は、ご自分の好きなぶどう品種のワイン、例えばカベルネ・ソーヴィニヨンとかシラーとかを決められて、色んな国のワインを試されるとだんだんとお分かりになると思います。

ワインの保存場所について「温度」や「湿度」を管理する様、雑誌やテレビなどで色々言われています。諸説ある中で、優先して守らなければならないのは「直射日光」と「強い振動」を避けることでしょう。
その為には、最近購入される方が増えてきた“ワイン用冷蔵保存庫”が一番よいのでしょうが、数万円から数十万円の費用が掛かるでしょう。
こういった場合、温度や湿度は「可能な限り」理想(15℃・70%)に近づければよいのです。
2000円くらいまでのデイリーなワインで、若いうちに飲むタイプのワインなら神経質になる必要はありません。家庭用冷蔵庫は扉の開け閉めの度に温度変化が起こるので長期の保存には向きませんが、1~2週間程度ならほとんど影響はありません。
とはいえ振動は極力避けたいので、ドアポケットではなく「野菜室」がよいかも知れません。ただ、くれぐれも“におい移り”にはご注意ください。

日本ではシャンパンと呼ばれていますが、フランス語の発音は地方名と同じシャンパーニュ(Champagne)です。
もともと「シャンパーニュ地方のワイン」とよばれていたものが省略されて、「シャンパーニュ」とよばれるようになったものです。 シャンパンと名乗れるのはフランスのシャンパーニュ地方産の発泡性ワインだけで、しかも数多くの法的条件をクリアしたもののみに許されています。
ただ、世界にはシャンパンの名称は使えなくても、シャンパン製法で造られたおいしい発泡性ワインがいろいろな国々で造られています。 特に知られているものが下の各ワインです。
- 国
- 名称
- フランス
シャンパーニュ地方以外 -
ヴァン・ムスー (Vin Mousseux)
- イタリア
- スプマンテ (Spumante)
- ドイツ
- シャウムワイン (Schaumwein)
ゼクト (Sect)はシャンパン方式、あるいはシャルマー方式
- スペイン
- エスプモーソ (Espumoso)
カヴァ (Cava)は、エスプモーソの中でも本格的に瓶内発酵されたもの
- 英語圏
- スパークリング (Sparkling)
また、シャンパンにはついては、糖度の違いによって味が分類されていて、呼び方が異なります(下表)。
- 名称
- 糖度
- エクストラ・ブリュット (Extra Brut)
- 極々辛口
- ブリュット (Brut)
- 極辛口
- エクストラ・ドライ (Extra Dry)
- 辛口
- セック (Sec)
- 中辛口
- ドゥミ・セック (Demi-Sec)
- 中甘口
- ドゥー (Doux)
- 甘口
一般のスパークリングワインでも、これに準ずる分類が行われていますが、シャンパンほど厳格ではありません。
スパークリングワインよりも、ガス圧が低い(3気圧)ものを微発泡ワインという名称で区分します。
かすかな泡立ちがあり、暑い季節にはさわやか感じがします。 イタリアのフリザンテ(Frizzante)、
ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデなどが代表的な微発泡ワインで、これらはいずれも白ワインですが、
赤の微発泡ワインとして、世界中で好まれるのがイタリア・エミリア・ロマーニャ州産のランブルスコ(Lambrusco)
です。
スパークリング 赤ワイン

シャンパン製法は別名瓶内二次発酵法と言われ、人工的に炭酸ガスを加えて造る安価なスパークリングと違い、全く自然な方法であのきれいな泡立ちが造られます。
製法を簡単に説明すると下記の様になります。
(1) 通常の製法で白ワイン(ロゼワイン数%含む)を醸造します。
(2) できたワインに少量の酵母と蔗糖(リキュール・ド・ティラージュ)を加えます。
(3) (2)のワインに王冠をし、地下セラーに置いておくと瓶内二次発酵がゆっくりと始まります。
この時、瓶の中で蔗糖は酵母の働きでアルコールと炭酸ガスになり、この時に生まれる炭酸ガスこそ、シャンパンのあの気泡なのです。
(4) その後3~5年の間熟成が行われ、その間に酵母の自己分解による独特の風味が加わります。また、キメの細かい泡持ちのよい性質が生まれます。
(5) 瓶内二次発酵で溜まったオリ(酵母カスなど)は数ヶ月間かけて瓶を倒立状態にし瓶口に集められます。この作業は“ルミュアージュ(remuage)”と呼ばれています。
(6) 瓶口に集められたオリは瞬間的に冷凍され、熟練したシャンパン職人によって取り除かれます。 この作業は、“デゴルジュマン(degorgement)”と呼ばれています。
(7) デゴルジュマンの際、オリを取り除くことによって目減りした分を補う作業が行われます。 この作業は、“ドサージュ(dosage)”と呼ばれています。
(8) 以上の細かい行程を経て、1本1本手作りでシャンパンが製品化されていきます。

ギィド・アシェット誌(Le Guide Hachette des Vins)は、フランスのアシェット社が1986年以降毎年出版しているフランスワイン専門のガイド誌として世界から厚い信頼をうけています。
ギィド・アシェット誌には、約800人のワイン専門家が数万本のワインを試飲し、その中から優秀と認められた8000本程のワインが掲載されています。
内容は、個々のワインについての醸造法などのデータのほかに、地区やAC毎に、ワイン単位で記述されていて、それらは無署名の注釈、星無しから3ツ星(最上級でラベル付き紹介)まで4段階の評価がなされています。
ですから、たとえ星無しであってもギィド・アシェット誌に掲載されるだけで、そのワインを造る醸造元にとっては大変な名誉となり、当然、以後のワインの売れ行きをも大きく左右するものとなります。 ある意味ではワインのミシュランと呼ばれるのもうなずける話です。
私どもにとっても、例えば南西部地方やラングドック地方など、あまり知られていない地域についての記述はとても貴重な情報源となっています。

ガンベロ・ロッソ(Gambero Rosso)、直訳すると“赤い海老”とでも言うのでしょうか… これはよくイタリアワインの評価に登場する名前で、ご存知の方も多いと思いますが、これはイタリアで最も影響力と権威のあるワインとレストランの評価雑誌の愛称です。
ローマに本部を置く”Gambero Rosso Editore(ガンベロ・ロッソ出版社)”とピエモンテ州にあるブラという町に本部を置く、”Slowfood(スロー・フード協会)”美食倶楽部”アルチゴ―ラ”の共同で出版され、正しい書名は"Vini d'Italia Gambero Rosso"。 堂々とワイン・ガイド界の王者に君臨するワイン・ブックで、この本における評価方法は「グラス」の数です。
評価は、まず州別の試飲委員会においてブラインドでカテゴリー別に試飲が行われ、ここで1グラス、2グラスまでの評価が行われます。そして特に優れていると思われるワインを委員が候補として提案し、最終委員会で更にブラインドテイスティングをして3グラスが決定されるのです。
ワインの場合は毎年発刊され、1~3のグラスの数によりワインの評価がくだされます。 1グラス(ウン・ビッキエーレ)を獲得するのも並み大抵ではなく、大半のワインは評価されずに終わってしまいます。 とりわけ最高位の3グラス(トレ・ビッキエーリ)ともなると、そのワインの人気は一気に爆発するほど多大な影響力をあらわしますので、ワイン醸造元もこれをめざして日々切磋琢磨するわけです。
フランスのミシェラン(Michelin)やアメリカのザガット(ZAGAT)などと並んで信頼されるグルメ関連の評価本の一つです。 そして、このガンベロ・ロッソが、リーズナブルな価格のワインを特集したワインガイドにアルマナッコ・デル・ベレベーネ(Almanacco del Berebene)があります。 これは年1回出版されるもので、イタリア各州の数あるワインの中から、特に注目に値するワインをオスカー賞に選ぶというものです。 それも通常は1つだけに与えられる賞であり、しかも、リーズナブルなワインにスポットをあてているという点で、大変に価値ある賞といえるでしょう。

ゴー・ミヨ(GaultMillau)とは料理評論家のアンリ・ゴー(Henri Gault)とクリスティアン・ミヨ(Christian Millau)により書かれた、フランスで強い影響力を持つレストランガイドの一つです。1969年創刊。

コート・ドール(Cote d'Or)とはフランス・ブルゴーニュ地方にあるワイン生産地区のひとつで、更に北部のコート・ド・ニュイ(Cote de Nuits)と南部のコート・ド・ボーヌ(Cote de Beaune)に分かれ、全体としてブルゴーニュワインの中心地として世界的に知られるワイン産地を示します。
コート・ドールを直訳すると黄金の丘陵という意味になりますが、なぜ”黄金”なのかについては、いくつかの説があります。
■ 最高級ワインは大きな額で動くので金が入るから、つまり経済的な意味で文字通り”黄金の丘”と呼ぶ説。
■ 秋になるとぶどう畑は黄金色の葉をつけ、コート・ドールは一面金世界になる・・という説。

ボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)。
この言葉はすっかりおなじみになりました。
毎年11月になると、「初出荷されました」「新酒です」ということで、テレビや雑誌にも取り上げられて盛り上ります。
でも一方では「味はたいしたことないらしいよ~」という意見も聞きます。
ボジョレー・ヌーヴォーは正確に言うと、フランスのブルゴーニュ地方のボジョレー地区でその年に収穫されたぶどうで造られた"新酒"を指します。
ご存知の様に、解禁日も11月の第3木曜日とフランスの法律で決まっています。その年に収穫したぶどうで造ったワインを初めておろして、一年の労働の成果を喜び合おうということなのでしょうね。フランスでは、そういうお祭り的な意味合いが強いようです。
さて、ボジョレー・ヌーヴォーは、実は造り方が普通のワインとは少々違います。
たいていマセラシオン・カルボニックという特殊な製法で造られているのです。
まず、その年の収穫した黒ぶどうを縦型で大きな密閉式のステンレスタンクにいっぱいに詰めます。 ただし、ぶどうの粒は破砕せずにそのままにしておきます。 そして、炭酸ガスに数日間さらしておくというものです。
その際、炭酸ガスを外から注入する方法もありますが、ボジョレー・ヌーヴォーの場合は、自然に発生する炭酸ガスに頼る方法を採ります。炭酸ガスが「自然に発生する」というのは、ぶどうをタンクに詰めたとき、その一部が勝手に潰れて発酵するおかげです。
そんなこともあってか、ボジョレーの人々は、「我々のワインはマセラシオン・"カルボニック"(炭酸漬け)ではなく、マセラシオン・"ナチュレ"(自然漬け)だ」と言います・・・。
うーん、やっぱりフランス人は誇り高いのでしょうか…。
さて、炭酸ガスにさらされている間に、ぶどうは軽い細胞内発酵を始め、細胞膜が破れやすい状態になります。
これを圧搾し、その液を白ワインの場合と同様にさらに発酵させ続けます。
その結果、香りが非常にフルーティで、色がよく出ている割りにはタンニンによる渋味の少ない、フレッシュな味わいの赤ワインに仕上がります。
色がきれいで、なおかつフレッシュで飲みやすい赤ワイン・・・。 これこそがボジョレー・ヌーヴォーの最大の魅力です。
しかしそのせいか、渋くて濃い赤ワインが好きな人たちは・・・「本格的なワインじゃないよなぁ・・・」と言って馬鹿にする(?)傾向があるのも事実です。 でも、これこそがひとつのポイントです。 少し冷やして、白ワイン感覚でぐいぐい飲むと、かわいらしい苺みたいな印象もあり、かなりイケるんです!
ところで、実は一般にボジョレー・ヌーヴォーと呼ばれるものは、その製法の特殊さゆえに、できれば年内に、遅くとも翌年の春までには飲んでしまわないと風味が落ちてしまうものなのです。 これも要注意ポイントです。
ボジョレー・ヌーヴォーは出来るだけ早めにお召し上がりください。
ドイツワインは他のワイン生産国と違い【ぶどうの収穫期】と【ぶどうの糖度】を基準として大きく5つのランクに分けられています。これは【ドイツワイン法】で厳しくその基準が定義されており、最近では2007年に改訂され現在に至っています。

■EWG-Tafelwein〈エー・ヴェー・ゲー・ターフェルヴァイン〉■
【意味】ヨーロッパ共同体(EU)ブレンドワイン
〔1〕ヨーロッパ共同体(EU)ブレンドワインEU以外の国のワインをブレンドすることは禁止されています。
〔2〕言い換えれば、EU内でできたワインをドイツ国内で瓶詰めしたワインのことを指します。
■Deutscher-Tafelwein〈ドイッチャー・ターフェルヴァイン〉■
【意味】ドイツ国内産テーブルワイン
〔1〕ドイツ国内産のぶどうのみから造られたワイン。
〔2〕一定地域のぶどうで造られたワインには【地域名】などをラベルに表示することが可能です。
■Deutscher Landwein〈ラントヴァイン〉■
【意味】ドイツ国内産地酒
〔1〕ラベルには指定19地域のいずれかひとつの地域名が表示されています。
〔2〕タイプとしてはTrocken(トロッケン=辛口) または、Halbtrocken(ハルプトロッケン=中辛口)に限られています。
〔3〕ラベルにはLandweinの表示があります。
■Quälitatswein-bestimmter-Anbaugebiete(Q.b.A.)〈クヴァリテーツヴァイン・ベシュティムター・アンバウゲビーテ(クー・ベー・アー)■
【意味】限定生産地域高級ワイン
〔1〕13地域(Anbaugebiete)のいずれかひとつの地域で収穫したぶどうのみから造られ、ラベルにはその地域名が記載されます。
例: ラインヘッセン(Rheinhessen)。モーゼル(Mosel)。ナーエ(Nahe)
〔2〕その多くは【地区名】や【町村名】【ぶどう園名】などの表示が法的に認められています。
例: ピースポーター=ピースポート村 ゾンネンヌーア=畑名
〔3〕ラベルには【Quälitatswein-bestimmter-Anbaugebiete】の表示があります。
■Prädikatswein(Q.m.P.)〈プレディカート)■
【意味】ドイツ最高級ワイン
〔1〕規格的にはQ.b.A.によく似ていますが、特別な畑につけられる呼称ではなく、ぶどう果汁の糖度に基づく分類名です。
13地域(Anbaugebietes)の中の更に小さな区画であるベライヒ(Bereich)という特定地域産に限られ、
ベライヒを越えてぶどうを混ぜ、ワインを醸造することは法的に禁止されています。
〔2〕ラベルには下記6種類の称号が明記されています。
1. Kabinett(カビネット)
熟した果実から造られ、一般にQ.m.Pの中で最も辛口(甘さが少ない)で、食事にも合いますし、ワインだけでもおいしく楽しめます。生産者の味筋の一番よく判るワインと言われるクラスで、価格も手頃です。
2. Spatlese(シュペトレーゼ)…遅摘み
遅摘みしたぶどうより造られるワインで、普通の収穫より最低一週間以上遅く収穫され、地域の決められた果汁糖度をクリアしたぶどうが原料となります。濃度も高くなりますが、かならずしも甘口とはかぎりません。糖分を完全醗酵させたトロッケンやハルプトロッケンなども増えています。
3. Auslese(アウスレーゼ)…房選り
充分に熟した房を選りすぐって造られるワインで、シュペトレーゼよりも一層気品のある凝縮したワインです。大半がやや甘口から甘口となり、ワインだけでじっくり楽しめます。
4. Beerenauslese(ベーレンアウスレーゼ)…粒選り
さらに成熟した超完熟の果粒のみを一粒一粒丹念に摘み取られるワイン。驚くほど芳醇な甘口でコクのある味わいです。
5. Trockenbeerenauslese(トロッケンベーレンアウスレーゼ)…貴腐ワイン
貴腐ワイン。ドイツワインの最高の等級のこのワインは、貴腐菌が発生する最適な天候状態の年のみに造られます。ほとんど干しぶどう同様になったぶどうから造られる「天然のリキュール」ともいえるもの。
濃い金色に耀く甘露な一滴は世界最高のデザートワインといわれ、大変長命で驚くほど高価です。
6. Eiswein(アイスヴァイン)…氷凍摘果
その年の11月から12月、ときには翌年の1月まで摘み取りを遅らせ、気温が下がりぶどうが氷結した時に素早く摘み取られ、窄汁して造るワイン。氷結しないで腐敗してしまうこともあり、数年に一度しかできず、リスクが大きいので造れる蔵も少数です。貴腐菌により糖度が上がるわけではありませんので、ベーレンアウスレーゼやトロッケンベーレンアウスレーゼとは質の違うクリーンな甘さが特徴です。
〔3〕ラベルにはPrädikatsweinの表示と、6種類の称号のいずれかひとつの表示があります。

ドイツワインは、輸出向けに制定された新表示の導入で、徐々に評価が高まってきています。
従来のドイツワインの表記には、Q.b.A.、カビネット(Kabinett)、シュペトレーゼ(Spätlese)、アウスレーゼ(Auslese)… などがあり、それぞれワインの甘さを意味するものと誤解される方も多く見受けました。 更に、トロッケン(trocken)とかハルプトロッケン(halbtrocken)の表記も重なって、例えば「シュペトレーゼ・トロッケン」とかになると余計??になられた方も多かったのではないでしょうか。
そこで、海外はもとより国内でも不評の表記を改めようと、2000年に上級品質の辛口ワイン(白、赤、ロゼ)に対して導入されたのがクラシック(Classic)とセレクション(Selection)表示です。
甘口タイプの表記は従来通りですが、辛口タイプには“トロッケン”などに加えて“クラシック”“セレクション”表示が行われる様になり、消費者にとっては分かり易くなりました。
また、この表記を簡単に補足すると…
クラシック: 産地特有のぶどうから造られ、豊かなアロマとバランスを持つ高品質&辛口ワイン
セレクション: 単一畑のぶどうから造られる上級辛口ワイン
と言うことになります。

私達もよく使う表現のひとつです。もちろん瓶の重さが「重い」とか「軽い」とかを言っているわけではありません。
ワインの味わいには「コク」や「厚み」、また「ボディ」などと言われる要素があります。アルコール分やエキス分(水分以外の成分)が多いと「コク」、「ボディ」を感じ、こうしたものが強いワインほど「重い」、別の言い方では「フルボディ」、そうでないワインを「軽い」、「ライトボディ」と呼んでいます。
ですからその中間が「ミディアムボディ」という表現になるわけです。 これはワインの値段や品質とは全く別の基軸になり、「重い」から高価で、「軽い」から安価…というわけではありません。
特に、専門家や我々ソムリエがワインを評価する時は、ボディのあるなしも重要ですが、全体のバランスを第一に見ます。

貴腐ワインは、その字の如く“高貴に腐った”ぶどうから造られます。ただ“腐る”というのはチョット語弊があるかもしれません。
貴腐は簡単に言うと、完熟したぶどうの房にボトリティス・シネレアというカビ菌がつくことにより、果皮のロウ質がこわされ、果汁中の水分が蒸発し、糖分が著しく濃縮され、ぶどう果が乾ぶどうの状態になることをいいます。(写真左)
そのぶどうを使って造られるため、濃縮された、それはそれは甘美なワインが出来上がります。
ちなみに、世界の三大貴腐ワインは、
■ ソーテルヌ(Sauternes)及びバルザック(Barsac): フランス ボルドー地方ソーテルヌ地区
■ トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese): ドイツ 各地方
■ トカイ(Tocai): ハンガリー トカイ地方

日本を含め、他のワイン生産国でも時々貴腐ぶどうが収穫され貴腐ワインが造られますが、一粒一粒手作業で選別しなければならず、手間がかかる上に収穫量が極少量なので高価なワインになってしまうわけです。
ちなみに、一番有名とされるソーテルヌの“シャトー ディケム”では「ぶどうの樹1本からワイン1本」と言われるほどです。当然価格は5桁が相場で、ちょっと古いヴィンテージだと軽く6桁に突入してしまいます。
貴腐が発生する条件としては主に、午前中(朝)は湿度が高く霧が発生し,午後は晴天になる…といった気候です。
ただ、ボトリティス・シネレア菌は環境に大きく左右され、その後の天候や管理次第でぶどう果の腐敗というリスクさえ覚悟しなければ得ることのできない貴重なものです。一歩間違うと時には有害で灰色カビ病を発生させる原因になります。(写真右)

簡単に言うと、ドメーヌ(Domaine)とは、ぶどうを栽培して、ワインを醸造する人(会社)のことをいいます。
ドメーヌという呼び方は、ブルゴーニュ特有の呼び方で、ボルドーでは大半がシャトー(Chateau)と呼ばれていますが、基本的にはドメーヌと同じ意味と思って頂いて間違いありません。
こうなった理由は様々ですが、その一つに、ブルゴーニュ地方ではワインをその産地名で呼ぶ事が大半だからでしょう。
例えば、ブルゴーニュ地方の著名なワインに“シャブリ”がありますが、シャブリには何百、何千の銘柄があり、ただ単に“シャブリ”では区別がつかないこともあります。
こういう時、我々の業界では「○○の造ったシャブリ=シャブリ ドメーヌ○○」で区別し、認識しています。
よく専門ショップなどで「シャブリ下さい…」といっても通じない時がありますが、こういう理由によるからです。
でも、親切なショップでは「当店ではドメーヌ○○のシャブリがあります…」ときちんとドメーヌ名を教えてくれるでので、美味しかったワインは、特にブルゴーニュワインは必ず「ドメーヌの名前」を控えておく事をおすすめします。

グラッパ(Grappa)はブドウの果皮とそこに含まれる芳醇な実と果汁(ヴィナッチャ)を原料に作られる北イタリア・ベネト州原産の蒸留酒です。
アルコール度数は38~43度とかなり高めですが、口当たりが軽やかな上に、蒸留した段階で既に鮮やかなブーケと心地良い甘味があり、長期熟成を要さない為非常に消化吸収されやすい理想的な食後酒として、専用の様々なショットグラスでストレート、またエスプレッソに数滴落として味わうのが中部以北のイタリアでは一般的な習慣です。
グラッパは一般的には無色透明の、しかも綺麗なボトルで売られています。 日本では酒税法上“ブランデー”と表示されているものが大半です。 日本では馴染みの薄いお酒なのですが、イタリアの家庭では、「いくら食べ過ぎても、このお酒を一口やっておけば大丈夫」といい訳しながら飲むケースが多いようです。
グラッパの製法
このグラッパはイタリアで盛んに造られていて、製法を簡単に説明すると、ワインを造る為にプレスされた後に残ったぶどうの皮や種等の絞りカスから造られる“蒸留酒”を指します。

もともとイタリア・ヴェネト州(Veneto)のバッサーノ・デル・グラッパ村の特産酒だったためこの名前が付いたとされています。

このグラッパが無色透明なものが多いのは樽熟成させないためで、中には果実を漬け込んで造られる赤いグラッパ(日本の酒税法上はリキュール)もあります。
ちなみに、フランスで同じ様にして造られる蒸留酒は「オー・ド・ヴィー・ド・マール」(通称マール)と呼ばれ、アルザス地方で造られるもの以外は樽熟成させるものが多く、黄色~茶色に色づいたマールが見られます。
また、グラッパ、マールいずれもアルコール度数は平均40%ほどあり、価格も日本では3000~数万円とやや高価なものが多いのも特徴です。
個人的にはトレンティーノ・アルト・アディジェ州の“ミルティッロ”という“コケモモ”を漬けて造られたグラッパがとっても気に入ってます。 トローリとして、甘味があって…

- ぶどうを左の蒸留器に入れ蒸留します。

- 時間とともに、蒸留されたグラッパが流れ出してきます。

- これがグラッパの原酒、すごい芳香が辺りを包みます。

- テイスティング…
ワイナリーで働く人達の特権?
蒸留酒という点では、ウイスキーと非常に良く似ているのですが、「熟成」の期間がウィスキーとは大きく違います。 ウィスキーの場合は、樽から染み出るタンニンが長い年月をかけてウィスキーに琥珀色と芳醇な香りを与えるのですが、グラッパの場合は、短期間の熟成でぶどうのブーケを残すのが特徴です。 そのため、大半のグパッパは“無色透明”です。 また、グラッパは日本の酒税法上では〔ブランデー〕になっています。

グラッパ&エスプレッソ
■イタリア・ヴェネト州のあるワイナリーで飲んだ美味しい飲み方■
エスプレッソコーヒーにスプーン3~4杯の砂糖を入れ、かき混ぜずにそのまま飲みます。(飲み干しても当然カップの底には大量の砂糖が残っています)
次に、そのカップに“GRAPPA”を注ぎます。
そして、それを小指でクルクルッとかき混ぜてからジックリいただくのです。!
ちょっと信じられない様な飲み方ですが、これが結構美味しくて、未だにこの飲み方を楽しんでいます。 ぜひお試し下さい。
■ グラッパは、こちら

主にフランス・ボルドー地方のメドック地区やグラーヴ地区、またその他の地区の優秀なシャトーではセカンドラベルと呼ばれるワインを売り出しています。
現地では“スーマーク”と呼ばれ、英語圏では“セカンドボトル”とも呼ばれています。

シャトー(ワイン蔵)「タルボ」(写真左)を例にとりますと、シャトー・タルボの畑で収穫されたぶどうはそれを搾って樽で発酵させますが、醸造段階でどうしてもシャトー・タルボの厳しい基準に達しなかったワインが出てきます。
主に樹齢の若いぶどう木のぶどうから醸造されたワインがそれに当たりますが、それらは一旦外されてしまいます。 ただ、外された…といっても高いレベルにあるワインですので、それらのワインをさらに選別した結果、造り出されるのが写真右のセカンドラベル「コンネターブル」です。
セカンドラベルといってもは栽培から醸造まで全てシャトー・タルボと同じ手間ひまをかけて造られたものですし、セカンドラベルとしての厳しい基準も設けられていますので、セカンドラベルのレベルに満たなかったものはやはり排除されてしまうのです。
ですから、決して決して「二流のワイン」という意味ではありません。価格的にもお買い得ですし、シャトーの雰囲気を十分に持ったワインという意味合いに捕らえて頂いた方が良いと思います。
ちなみに、最近ではイタリアやカリフォルニアのワイナリーでもこの“セカンドラベル”を発売しているところが増えてきています。

“赤ワインは室温で…”
これはワインの飲み頃温度を示す時によく用いられるている表現です。
でも、四季のある日本では同じ室内でも夏と冬の温度差は30度前後も違うので、一概に“室温で飲む”とは言えません。 この“室温”とは、おおよそヨーロッパの地下セラーや石造りの部屋の室温を指していて、15~18℃の範囲を表しています。
つまり、同じワインでも温度が違えば味わいも大きく違って感じられてしまいます。 温度が高すぎれば一般的に味に締まりがなくなり、冷やしすぎればまろやかさが失われ、香りが少なくなります。
渋味があって味のしっかりした熟成タイプの赤なら18℃前後、夏の暑い日では、冷蔵庫で30分程度冷やした状態です。 同じ赤でも軽くてフルーティなタイプはもう少し冷たく15℃前後、ボジョレー・ヌーヴォーのような若飲みタイプでは10~12℃ぐらいが良いでしょう。
白ワインは一般にドライなタイプで10℃前後が飲み頃ですが、これもコクのあるタイプかさっぱりタイプかで2~5℃くらい上下します。 甘味のあるタイプやさっぱりした酸味の多いタイプ、またガスを含んだスパークリングワインは5℃くらいに冷やすとおいしく召し上がっていただけます。
ちなみに急いで冷やしたい時には氷水を使うのがベスト。 ワインボトルを肩までつけておけば10~30分程度で冷えますのでとっても簡単に、しかも美味しくワインを召し上がっていただけます。

ワインの香りを表現するときに使うアロマ(Aroma)とブーケ(Bouquet)、たいていゴチャゴチャに考えられている場合が多いですよね。
大きく分けてワインの香りには、そのぶどうが本来持っている香りと、樽や瓶で熟成して生まれる香り(熟成香)とがあります。 ぶどうが本来持っている香りをアロマと呼び、熟成香をブーケと呼びます。 ちなみに、アロマはギリシャ語のアローム(香り)、ブーケはフランス語の花束に由来します。
私達はアロマを表す時に“果実の香り”をよく用いますし、ブーケを表す時には“バニラや花、木の実、蜂蜜”など様々な言葉で表現します。
ある有名なソムリエは“なめし皮の香り”や“トリュフ”などの言葉も使っています。 「この表現でないといけない」というきまりはありませんので、ご自分の感じたままをメモしておかれると、後々ホテルなんかでワインをオーダーする時に自分の好みをソムリエに伝えやすくなるかも知れません。
栓を開けてワインをグラスに注いだら、まず香りからお楽しみください。

ワイン業界には“ヴィンテージ・チャート”という、年代別にそれぞれの産地のぶどうの出来栄えをあらわした評価があります。
幾つか種類がありますが、たいてい10点満点か20点満点中何点か、であらわされます。
例えばSOPEXA発行のチャートで、ボルドー・メドック赤ワインは近年でいうと1990年に18/20点の高評価ですが、1980年は逆に14/20点とイマイチの評価になっています。
これは他の産地や国でも同じような事が言え、いかにぶどうの出来が天候に左右されるかがわかります。
ただ、この評価を鵜呑みにしてしまうと大きな誤解を生む場合があります。これはあくまで“産地全体のぶどうの出来”の話であって、個々のワイナリーのぶどうの出来をあらわしてはいません。 18点の評価の年でも、ワイナリーによっては収穫前に雨に降られてしまい、ぶどうが大量の水分を持ち水っぽくなってしまったところもあります。
これらはあくまで“ぶどうの出来”の話であって、ワインの出来ではありません。 評価の悪い年でも良い年でも、それを生かすのが結局醸造家の腕の見せ所なんでしょうか…
ひとつの例として、私がワインを選ぶ時に行う事のひとつに「ブラインド・テイスティング」があります。 ワインの姿を見ないでグラスに注がれたワインのみ試飲する…というものです。
結果は、有名とされるワインに低い得点をつけ、リーズナブルなワインに高得点をつけたり…もちろん、世間の評判通りの結果になる時もありますが、とても面白い結果が現れます。
要は「ワインは嗜好品」という部分が非常に多いのでは、と思います。「美味い・まずい」でなく「好き・嫌い」の世界なので万人が好むワインはまず無いだろうな…と思います。
で、結論を言いますと、0の付く年のワインが多く推薦されていたのは、たまたまその年のワインをH.ジョンソン氏が良いと認められたのではないでしょうか。

ワインショップやデパートのワイン売り場をみてもほとんど立って並んでますし、寝かせているのは高級品ばかりですが…
これにはそれぞれ意見を持つソムリエがいますが、今回は私の考えを申し上げます。
ご存知の通り、ワインにはいろいろなタイプがありますが、結論からさきに申し上げると、
横にする必要があるのは“コルク栓を使ったワイン”で、しかも今日や明日に飲む予定のないワイン、とお考えください。
コルクというのは、乾燥すると固くなり、ほんの少しですが縮んでしまいます。そうするとその縮んだ
わずかな隙間から瓶の中に空気が入り、中のワインが酸化(変質)してしまいます。
コルクの持つ本来の特性を発揮してワインを保存するためには、瓶を横にしてコルクとワイン
を触れさせておく必要がある、というわけです。
特にシャンパンなどの炭酸ガスを含むワインは、ガスが抜けやすいですので必ず横に寝かすか、
極端な場合、瓶を逆さまにして保存されることをお薦めします。
また、古いヴィンテージなどの、しかもオリをいっぱい含んでいそうなワインは、オリを静める為に1~4週間
くらい立てたままの状態で保存されることをお薦めします。そうすればオリは瓶底に溜まりますので、
オリを舞い上がらせない様にゆっくりとグラスに注げば召し上がる際もほとんど気になりません。
(もちろんデカンティングという方法もありますが…)
ショップなどで立てて陳列しているのをよく拝見しますが、回転のよい、よく売れているワインなら立ってても
かまわないと思います。ただ、ほこりがかぶってて、しかもこうこうとライトが当たり、部屋の温度も高い…
となると疑問です。こうなるとワインを立てる、寝かす以前の管理者の意識の問題だと思います。
また、スクリューキャップやプラスチック素材を栓に使った瓶は、特に横にしなくても大丈夫ですし、
飲み残したワインにもう一度コルクで栓をした場合も、わざわざ横にする必要はありません。
温度・光の管理を最低限してやれば良いでしょう。
コルクは、細胞内には天然のワックスが含まれているので気体も液体も通しにくい上に、優れた弾力性を持っているために、
長時間の保存に耐えるワイン栓として長年使われてきました。 ところが、打栓したボトルの5-6%に、いわゆるコルク臭
(カビ臭さ)があることが、いくつかの研究で指摘されてきました。その原因が、主としてTCA(トリクロロアニソール)という物質
であることがわかり、コルク栓生産業界では、これを除く方法を開発するとともに、粉砕したコルク粒子と合成ポリマーから作った
合成コルク栓や、プラスチックの栓やスクリューキャップが使われるようになってきました。 この中で密閉性が最も高いの
はスクリューキャップであり、しかもTCAの心配がないので、フレッシュでフルーティーなワインには最も適しているかも
しれません。 しかしながら、栓を通して、少量の酸素が入り込むことが瓶内熟成に必要であるかもしれない赤ワインなどにも
使えるか、など今後も検討が必要なようです。
長らくワインに親しんでいると、良質のコルクが望ましいと思ってしまいますが、コルクを提供する木(コルク樫)の資源を
守らなければならないですし、プラスチックの場合には生産や廃棄の過程で環境に悪影響を与える可能性があります。
伝統的コルクを栓抜きを使って抜くという「儀式」にこだわらないなら、これからはスクリューキャップが望ましい
のかも知れません。
赤ワインの味を表現することばの代表格にタンニン(Tannin)があります。タンニンは、植物由来で多くのフェノール性水酸基を
もつ芳香族化合物の総称で、よく耳にするポリフェノール化合物の一部です。 ぶどうのタンニンは果皮や種子由来で、ワインに渋みを与えます。
お茶におけるカテキンや柿の柿渋もタンニンの一つです。
タンニンはワインの熟成の過程で酸化を防ぐ役割があり、またそれが沢山集まって水に溶けなくなったものが、澱となって瓶の底に沈みます。
■ 澱(オリ):
ワインの中に時々フワフワ浮かぶ物体、オリが発生していることがあります。
これは、天然のぶどう果汁が発酵して生じる“酒石・酵母カス・ぶどうカス”で、オリが発生することはむしろ自然ともいえる現象です。オリを発生させないようにする唯一の方法に「ろ過」がありますが、この方法は“やりすぎる”とオリだけでなく、ワインの様々な旨味成分をも取り除いてしまうという欠点もあります。
それでも、オリによるクレームが発生しない様わざわざろ過して出荷する醸造元が多い中、本来のスタイルを楽しんでいただこうと近年ではろ過をせず、出来たそのままのワインを出荷したり、風味に影響が出ない様ほんの少しだけろ過をして出荷する醸造元も増えつつあります。
eurovinではその様な醸造元と多く取引をし、お客様にワイン本来の姿を楽しんでいただきたいと願っています。
オリが出ているからと言って嫌がっていては品質の良いワインを自ら拒否する様なものです。
是非、デキャンティングなどで対応してお楽しみいただきたいと思います。
ただし、ワインがはっきりと白濁して透明度がなくなってしまっている場合は、ワイン自体が変質している可能性が高いと言えるでしょう。
日本向けワインの大半は残念ながら「思いっきり」ろ過されています。特にマスメディアを媒体にし、量をさばかなければならないワインにそれが集中しているようです。残念無念…!
■ 酒石酸(Tartaric Acid):
瓶の底、あるいはワインを開栓した時にコルク栓の下面に時々ワインシュタインと呼ばれる白くキラキラ光るガラスの様な結晶が見られる場合があります。(赤ワインではまれに色素と一緒に沈殿することがあります。)
これは酒石酸とカリウムからできる酒石酸カリの結晶で、品質的に優れたワインに現れます。特に、ドイツでは「ワインのダイアモンド」と呼んで大変喜ばれます。また、ワインシュタインは白い粉の様に出たり、白く発泡スチロールの様に出たりもします。特に後者はドイツのアウスレーゼ以上の高級ワインにしばしばよく現れます。
これらは、ぶどうに由来する天然物で体には無害ですので、グラスに注ぐ時はワイン瓶の底に残すようにして注ぐか、デカンターに移して召し上がってください。
■ カビ
キャップシールを取るとコルクの上に“黒っぽいカビ”が付着していることがあります。何だか気持ち悪く、もう飲めないのでは…?とよくご質問を受けます。
このカビは、湿度の高い地下貯蔵庫で長く熟成させたワインのコルクの上部に発生したり、まれにワインのびん詰め時のこぼれや、コルク栓からのワインのにじみによってコルクに発生する現象です。
でも、このカビは空気にふれる部分に繁殖するだけでワインの中には成育しません。
特にフランスやドイツ、イタリアなどを訪れ、本格的なワイン蔵をご覧になられた方ならご承知のことと思いますが、彼らはワイン蔵がカビに覆われていることを誇りにしています。
つまり、カビが発生する様な状態がワインには最適であるということをよく知っているのです。
ですから、開栓する際に布巾などできれいに拭き取れば何らワインの品質に悪影響を与えるものではありません。むしろ、よい状態で保管されていた証拠とも言えるでしょう。
ボトルの裏に「REEFER」と記されたワインにお気づきの方もおられるでしょう。 このワインが、生産者から15℃前後の一定温度に保たれたコンテナーで輸送されていることを意味します。 私達の扱うワインにはオーガニックワインが多く含まれますので、その品質を維持するために全てリーファーで輸入しています。